腰痛対策

デスクワークや家事などで長時間同じ姿勢をとり続けていると、腰に負担がかかります。背中から腰にかけての筋肉の血流が悪くなり、疲労物質が筋肉組織に蓄積されていきます。これにより、腰が重だるくなったり、こわばったり、痛みを感じたりするようになります。

様々な種類

腰痛にはさまざまなものがあり、起床時に腰が痛み、動きはじめるとやわらぐような場合、変形性脊椎症が考えられます。40歳を過ぎるとふえる老化現象の一つですが、こんなとき、朝、布団のなかで腰モゾモゾ体操をやるとらくになります。

また、最近、若い人にもふえている筋膜性腰痛にもゆる体操が有効です。長時間座りっぱなし、立ちっぱなしの姿勢を続けるうち、腰の筋肉に炎症が起こる症状で、ゆる体操を行うことで痛みやこわばりが気持ちよくほぐれていきます。

適度な運動

正しい姿勢をとって腰を冷やさないようにし、適度な運動をして腹筋や背筋を鍛えることが大切です。また、血行が悪いと腰痛はなかなか改善せず、ますます悪化してしまいます。慢性化するおそれもありますから、放置は禁物です。

ストレッチ体操

ちなみに、ギックリ腰や椎間板ヘルニアなど急性の激痛が起こったら、まず安静にすることが大切です。痛みが軽くなってきてからストレッチ体操を行いましょう。そして、腰に負担をかけないようゆっくりとソフトに行ってください。痛む部分を周囲から少しずつ「なめたりかじったり」して、へらしていくようなイメージで行うのがポイントです。

作業時間の調整

1時間したら休息を

仕事が絶好調で、はかどっているとしても、VDT作業は、連続して1時間以上行わないよう心がけましょう。その1時間のうち1、2分程度は小休止の時間を設けます。

さらに、1時間作業をしたら10~15分は作業を休むようにします。リラックスして遠くの景色をながめたり、目を閉じたり、ストレッチをしたり、軽い体操をしましょう。

書類などの業務を挟む

疲れたと感じたら、仕事の切り換えを考えます。たとえばデータ入力を続けているとしたら、入力作業は休止して書類の整理や電話での連絡などにあてる、ほかの業務をするなど、長時間パソコンに向かうことのないようにしましょう。

足元の荷物は片づける

机の下を荷物や書類の箱が占領していると、足まわりのスペースが限られてしまいます。

足の位置が安定しないと不安定な姿勢となり、腰や脚が疲れます。足元はすっきり片づけて、足が窮屈にならず、無理のない姿勢がとれるようにしましょう。

絵画や植物などを置く

身のまわりに安らぎを感じられるものをひとつ置くことも効果的だとされます。室内に絵画や植物などを置くと緊張がやわらぎ、精神的なストレスを減らす効果が期待できます。

椅子まわり

足が完全に床につくものを

椅子は、それぞれの体型や好みに合わせて高さを適切に調整できるものを選びましょう。

床から椅子の座面(すわる面)までの高さは37~43㎝の範囲で調整できるものが適当です。足が完全に床につく姿勢にすると、足を疲れさせないだけでなく、背中がまっすぐに伸びて、肩や腰への負担が小さくなります。

足全体が床につかない時には、フットレスト(足台)を利用するとよいでしょう。フットレストはすべりにくいものを選んでください。

5脚の椅子が理想

椅子はまた、安定性のよいことも大事な条件です。5脚の椅子が理想的です。

座面(すわる面)は布や革張りなどで、適度なクッション性があり、しかも柔らかすぎず、固く感じるくらいが適当です。

背もたれでリラックス

背もたれがついていて、前後に動くとなおベター。背もたれを大きく後ろに倒しながら、背伸びができます。つまり、すわった状態である程度からだをリラックスさせることができるのです。

さらにひじかけがあると、ひじを支えることができます。

床から座面までの高さとは

ここで言う、床から座面までの高さとは、実際にすわってクッション材が2~3㎝圧縮された状態の座面の高さを言います。市販されている椅子の座面高の表示は、一般的にクッション材が圧縮されていない見た目の高さなので、注意が必要です。

作業をする時は、椅子に深く腰をかけて、背もたれに背を十分にあてて、足が完全に床に接した姿勢が基本です。

太ももやひざが窮屈にならないように、机の下にはゆとりがあったほうがいいでしょう。