肩こり対策

肩こりを招く原因はさまざまですが、その多くは日常生涯やストレスなどが要因となって起こります。長時間机に座りっぱなしでパソコン作業を続け、特定の筋肉ばかりを使いすぎたり、重たい荷物を持ったりして筋肉を酷使することで、肩こりになる人が増えています。

乳酸などの疲労物質が引き起こす

人間には、首から肩にかけて大小多くの筋肉があり、ただ座っているだけでも、重たい頭を支えるために首や肩の筋肉は働いています。これらの筋肉の緊張状態が長時間続くと血行が悪くなり、乳酸などの疲労物質がたまってこりや痛みが生じてきます。これが肩こりです。

ストレス

精神的な緊張や不安、ストレスなどがある場合は、交感神経が働いて血管を収縮させます。血管が収縮すると血行が阻害されるために、筋肉を使いすぎたときと同様、疲労物質がたまってこりや痛みが生じるのです。

血流悪化の悪循環

筋肉が硬直してくると、血管が圧迫され、さらに血流が悪くなるという悪循環に陥ってしまいます。肩こりの解消には、この悪循環を断ち切る必要があります。

パソコンによる肩こり(VDT症候群)

パソコンのディスプレイなど、画像表示端末(VDT=Visual Display Terminal)を使って行う作業をVDT作業と言います。VDT作業を長時間行うことによって、肩や首すじのこり、疲れ目、腕や手のしびれ、腱鞘炎が発生するケースが多くなっています。かすみ目、視力の低下、ドライアイ、頭痛、、さらに精神的な障害として、情緒不安定、不眠なども問題となっています。これらの健康障害をVDT症候群とよびます。

腱鞘炎

VDT症候群の一つに、腱鞘炎(けんしょうえん)があります。筋肉は緻密な線維の束となって骨につながっていますが、この束のことを"腱"と言います。腱はところどころ、腱鞘というトンネルに包まれており、腱がこの中を行き来して指の屈伸が行われます。この腱鞘が炎症を起こした状態を腱鞘炎と言います。安静を保つようにするほか、抗炎症剤の処方、温熱療法などの治療を行います。

ワークスペースの改善

現代社会を生きるうえでは、肩こりを解消するという目的だけでなく、広くVDT症候群への対策・予防策として、VDT作業を行う時の姿勢や環境を考えることが大切です。とりわけ、日常のワークスペースの改善は重要になります。

ノートパソコン

ノートパソコンは、ディスプレイと一体になっているので、画面との距離や手の位置が制限され、自分に合った姿勢で作業するのがむずかしいのが難点です。それが、こりや疲労の原因となることがあります。

多くのノートパソコンは外づけのディスプレイ、キーボード、マウス、テンキー入力機器などを利用することもできます。長時間にわたって作業をする時には、これらの機器を利用することもよいでしょう 。

机まわり

机の上はすっきりさせて、機器類を使いやすい配置にしましょう。机の上に書類や資料用の本が山のように積み上げられていませんか?そのため、机上で使えるスペースが猫の額ほどという机は、どのオフィスでもよく見られる風景です。

机上で作業できるスペースが狭いと、手やひじを机に置くことができず腕や肩が疲労します。

機器を体の正面に

またディスプレイやキーボードがからだの正面を向いているかどうかもチェックしてください。これらの機器がからだの正面にないと、からだをねじった状態で操作することになり、特定の筋肉ばかりを使い続けることになります。

机を適切な高さに

女性、男性ともに、使いやすい机の高さの平均値は65~70㎝です。高さが調整できない机の場合は、この範囲のものが適当です。

高さを調整することができる場合は、60~72㎝程度の範囲で調整できる机を。この高さなら、大部分の人の体型に合わせることが可能です。

マウス

キーボード操作時は手首に楽をさせる

キーボードを打つ際に甲のほうが手首より上がっている(手首を曲げる角度が大きい)と、手に負担がかかり、腱鞘炎になりやすくなります。マウスは手首が下がらないようにして使いましょう。手首の下にタオルなどを置くか保持台(リストレスト。市販されています)などで支えて作業をすると楽な場合もあります。

手首の角度を小さくするためには、キーボードの裏側にある脚は立てないようにします。

マウスはいろいろな形状のものが市販されていますから、自分の手に合うものを選びましょう。大きすぎるマウスはクリックする時に肩の負担になります。

ひとまわり小さいマウスに換えると、クリックするのが楽に感じられることもあります。

マウスは定期的にお掃除を

マウスにごみがついていると、カーソルの移動がスムーズにいかず、クリックの回数が増えたりして、手首や腕、肩の疲労につながることがあります。マウスは定期的に手入れをしましょう。